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くさの根

福島県いわき市 四倉で食堂・直売所・食品加工場を運営する「食処 くさの根」の商品開発及びブランディングプロジェクト。東日本大震災により発生した津波の影響で店舗が消失した同社だが、震災から数年後、元の店舗からほど近い場所に再度店を構え、オリジナルの加工品を販売し始めたことを機に、ビジュアルイメージの統一と商品価値の向上を目的としたこのプロジェクトがスタートした。

四倉でのミーティングを重ね、オリジナル商品を決定。その後、パッケージのデザインがばらばらだった商品群をシリーズとして認識させるため、全商品共通で使用する「根」シリーズというブランドネームとそのロゴ、またそれを使用したパッケージデザインの制作を進めていった。

ブランドネームは「根」。ラインナップには、郷土料理の「ぽーぽー揚げ」や「みりん干し」、「黒じゅうねんドレッシング」など、いわき市・四倉ならではの商品が多い。震災以前から地元の食材や調理法を大事にしていた同社にとって、「くさの根の、根っことなるもの」という意味のブランドネームに決定した。四倉のお母さんがつくった家庭料理を全国に届けたいとの想いから、ロゴは少し歪みのある円や有機的な曲線で構成し、あたたかみや素朴さを感じられるデザインになった。

全国のバイヤーが集まる商談会に出店する機会も多いため、あたたかみがありつつも、洗練感が感じられるデザインを目指した。また、まだ福島の製品に対して不安も残っている時期であったため、誠実さを感じることも重要であった。白をベースにロゴを配置することで、ロゴの赤が目に入り、シリーズとして認知しやすく統一感のあるデザインに。

WEBサイトは情報を整理して食堂・直売所・加工場の事業内容をわかりやすくし、カスタマーが必要な情報を探しやすい構成・デザインに変更。ネットショッピング機能も追加した。リーフレットは商品情報に加え、この地に移り住んで地元料理を覚えた社長のストーリーも組み込まれており、同社が持つ地域への想いを伝える内容となっている。

Creative Director:Nozomu Nishio
Art Director:Nozomu Nishio , Ai Funakoshi

Designer:Ai Funakoshi
Copywriter:TRACKS & STORES

Web:VIADUCT

Client:くさの根